いい話コンテスト 2017年 受賞作品発表! たくさんの応募作品の中から心温まる受賞作品をご紹介いたします。(管理会社編)

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受賞者一覧
最優秀賞

コミュニケーション、それがすべてです。

亀谷 和弘 / 住友不動産建物サービス株式会社 / 東京西第二事業所

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優秀賞

第1回理事会

上田 慶一 / 三菱地所コミュニティ株式会社 /
都心支店 管理2グループ

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特別賞

大和の国で命救う

嵪司 有見子 / 近鉄住宅管理株式会社 / 京奈支店

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特別賞

退去したお子様からの手紙

杉町 竜童 / 株式会社穴吹ハウジングサービス /
分譲管理九州事業本部 福岡第1営業部第2課

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特別賞

災害対応経験の継承
~東日本大震災・熊本地震を経験して~

早坂 章 / 株式会社大京アステージ / 技術管理部 企画推進課

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特別賞

サクラ咲く

一ノ瀬 知子 / 互光建物管理株式会社 / 阪南支店

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佳作

管理員さんの宝物

古元 綾菜 / 三井不動産レジデンシャルサービス株式会社 /
千葉支店

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佳作

お客様をつなぐ、野菜販売プロジェクトへの取り組み

大山 功 / 鹿島建物総合管理株式会社 / マンション事業部

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佳作

「尊敬する人」

齋藤 正二 / 野村不動産パートナーズ株式会社 /
マンション第二事業本部 東京北支店

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佳作

「独り暮らしの高齢者について」

松本 茂 / 住友不動産建物サービス(株) / 東京西第二事業所

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佳作

大切な縁

星野 好子 / コミュニティワン(株) / 横浜支店 南ブロック

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佳作

「(素直な気持ち、、、そして)」

児島 弘美 / 互光建物管理(株) / 阪南支店

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UP

受賞作品

最優秀賞

コミュニケーション、それがすべてです。

亀谷 和弘 / 住友不動産建物サービス株式会社 / 東京西第二事業所

担当フロントを変えろ!はっきり言って力不足だ!こんな事を言われた事があります。しかも、定期総会で100人近くいる大勢の前で、初対面の方から。なかなか、心に突き刺さる。普段の生活でこんなに心が折れそうになる事はないだろう。定期総会とはおおよそ2時間程度で、フロントが一年間の各種報告や決議内容の説明を行います。その厳しい意見を言った方は、総会の間ずっと僕鋭い目つきを睨みつけている(ように僕の心理状況では感じてしまいました)
他にも「この件について担当はこのマンションの事を何も分かっていない」「この議案はなんだ!反対者の意見をくみ取ったのか!強行採決じゃないか!」「担当フロントは賛成派の回しものか!お前は中立的な立場にいるはずじゃないのか!!」 こんな事も言われるのである。本日初めてお会いした方にだ。

さて、皆様は分譲マンションには管理員さんとは別に「フロント」という人がいるのをご存知でしょうか?「マンションのフロント」というのは、数ある職業の中でも「何をやっているかわからないランキング」があれば、必ず上位に入る職業です。フロント業務は、実は結構忙しいです。でも、なにが忙しいかと言われると、これがまた一言で表現できないのです。なんとか分析すると「細かい仕事の積み重ね」なんです。とんでもない量の細かい仕事をするんです。
なので、業務を一つとって、説明しても「ふーん。それで忙しいの?それは君の能力低いんじゃない?」と思われてしまいそうです。違うんです。それが膨大な量を、並行的に進めなきゃいけないんです。

進めている間に、緊急対応(漏水や地震、台風対応等)が舞い込んできたりするんです。営業マンは毎月数字に追われますが、フロントは毎日期日に追われています。そんな謎の多い職業「フロント」ですが、役員の方とはよくコミュニケーションとるので役員方はフロントの業務の大変さを理解してくれる方が多いです。そして、会話の中で一番聞かれるのが「担当マンションは何件くらいあるんですか?」です。僕は「13物件程度です」と答えます。「え!?そんなに?」とかなり驚かれます。おそらく業界的には平均的な数だと思います。
もっと少ない件数の会社もありますし、20件以上担当があるという会社もあるそうです。
13物件もあれば毎月の土日が全て埋まるのは容易に想像できますよね。どうです想像したら、思ったより忙しそうでしょ、フロントって。
さて、冒頭でも書きましたが仕事をしている中で、会った事ない人から突然責め立てられたりもします。

お客様からすると「溜めに溜めてきた不満を、総会の場で言おう」という1回勝負みたいな状況なので、ボルテージもあげてこられるのでしょうが、僕の目線だと突然怒りに満ちた人に大勢の前で責め立てられる状況なのです。できれば、溜めに溜めないで事前にご意見を頂きたいです。ここで話を聞かないフロントがいたらそれは論外ですが、僕はキチンとご意見聞きますので、どうか爆発する前に、ご連絡頂きたいです。

本題に戻りますが、冒頭、僕が責め立てられたエピソードは確かに僕のミスリードもありました。状況でいうと、問題に対して「一般論」で解決を図ろうとして、反対者が意見を言える機会を作らなかったからです。確かに、その件は認めます。僕のミスリードでしたし、言い訳すると転職したばかりでフロントとはなんぞやという事も理解していないペーペーだったのです。ただし、それ以外の日々の業務。
皆様には見えないところで、本当に小さな仕事を山のように行っていました。 なのに、100人近くの前で正論で責め立てられると、本当に心が折れそうになります。想像してみて下さい。
毎日見えないところで管理業務を行っているのに、初めて会った方に、全てを否定され「あなたは力不足だ!何もわかってない!担当を変えろ!」と言われたんです。本当にキツイ思い出です。しかし、それでも僕は未だにフロントをやっています。 実はこの総会の後にある居住者の方から1通のお手紙を頂いたのです。

「先日の定期総会お疲れ様でした。議案内容につきましては当日様々なご意見がありましたので、貴殿も色々反省すべき点もあったかと思います。しかしながら当マンションの一部の居住者の貴殿への暴言ともとれる言動については目に余るものがございました。同じ居住者として、謝りたいと思います。私も過去に理事長を行った経験があり、フロントが普段マンションに対し尽力してくれている事は知っておりますので、貴殿には感謝しております。今後のご活躍を期待しております。」
響きました。僕の心に本当に響きました。
総会当日100人の前で責め立てられると、100人が全員に否定された気持ちになっていました。 この手紙がなければフロントは辞めていたかもしれません。今でも、机の中に保管しています。…ちなみに、冒頭激しく責め立て方とは1年間みっちり向き合ってコミュニケーションをとったところ、一年後の総会の後に本人から「去年の総会はごめんね」と照れくさそうに言われました。うん。フロントの仕事って何?と聞かれたら、これからは「コミュニケーション、それが全てです」と答えるようにしよう。

UP
優秀賞

第1回理事会

上田 慶一 / 三菱地所コミュニティ株式会社 / 都心支店 管理2グループ

通常総会後の第1回理事会。多くの管理組合では、理事の役職互選を第1回理事会の議題としている。それは規約において、通常総会で理事の選任が承認され、役職については選ばれた理事の互選によると記載されているからだ。
そして、今まさに第1回理事会の最中である。管理会社から理事の役職について説明し、出席した理事に希望する役職をお伺いしているが、全く発言が無い状態が30分以上続いている。

Mマンション管理組合では輪番制による理事の選任を採用していることから、仕方なしに理事になったという方が多い現実がある。「やはり、理事長は他の役員に比べて多くの業務がありますし、管理会社からの連絡や相談事項を受ける機会も多くなります。まずは、理事長を決めて頂いた後にその他の役職を決めていった方がスムーズに進むと思います。どなたか理事長に立候補されませんか?」

何一つ決まらないまま更に30分が経過する。
理事長、副理事長、会計理事等の役職を引き受けることで、より大きな責任を負うようになると不安になっている様子だ。確かに理事になることは、これまでの居住だけの生活とは異なり、様々な業務の執行や会議への参加義務も生じる。しかし、それらのサポートを行うために管理会社の存在があるのだ。

私は、理事の皆様に向かって思うこと、伝えたいことを話してみることにした。「理事になったということはみなさんにとってとても良い機会になると思います。居住しているだけでは知らなかったマンションで起こっている問題点を知り、設備を知り、お住まいの方々の声を聴き、理事会で検討し改善していく。自分たちの発言や検討をきっかけにマンションがより良い方向に変わっていけば、それは必ずやりがいに繋がります。管理会社は、皆様に1年後に開かれる総会において次期役員にバトンタッチするとき、やって良かった、良い経験が出来たと思ってもらえるよう全力でサポートします。ご自分が少しでも興味を持てそうな役職が心の中にあるのであれば、どうぞ安心して立候補してください。」

そこから少しずつ理事同士の会話が生まれホワイトボードの役職の横の空欄に名前が書き込まれていった。最終的には理事長を含め、すべての役職を決めることができた。活動に消極的に見えた理事の皆様でしたが、いざ始まってみると理事会への出席率も非常に高く、チームを組んでの深夜の違法駐車パトロールや新しく植栽委員会を立ち上げるなど、これまで以上に積極的な活動を行う理事会になった。
そして、今期の通常総会が開催され、次期理事会へとバトンタッチする時期がまたやってきた。

退任される理事達からは、これまで自分たちがやってきた活動を報告し、次期の理事会が円滑に進むよう手助けがしたいとの声が上がり、第1回理事会は新旧理事が集まっての引き継ぎ理事会とすることが提案され、次期理事会からも快諾を得られた。理事の各業務を引き継ぐにあたって、まずは役職を決める必要がある。前期理事達は新理事会の役職互選の審議を見守っている。しかし、昨年同様になかなか役職が決まらない。そして時間だけがどんどん過ぎ去っていく・・。するとひとりの退任する理事が穏やかに話し始めた。

「皆さんを見ていると、まるで昨年の自分達を見ているようです。我々の役職互選も何も決まらないまま1時間以上の時間が流れました。そのときに、ここにおられる管理会社の担当者Aさんがこうおっしゃってくれました。1年後に必ずやって良かったと思えるように全力でサポートしますから安心してください。そして今私は、Aさんのサポートもあり、本当にやって良かったという充実感を持って今日を迎えています。今回は理事の私から皆さんに言いたい。もちろん大変なこともありますが、1年後にはきっとやって良かったと思えるような1年間になっていると思います。想像以上にマンション管理は様々なことが起こるんです。Aさんには、この1年間本当に助けられた。ありがとうございました。」

私は、役職互選の場でお礼を言われるなど思ってもいなかったので、驚き、発言されている理事の顔を見た。他の理事達も微笑みながらこちらを見ている。その笑顔の中には、点検報告書の記載間違いを見落としてしまったことで叱責を受け、その後も信頼関係が築けるまでの間たびたび叱責を受けてきた理事も含まれている。何度も話し合いの場を持ち、二人だけでマンション内の問題点改善を目指して歩き回ったことも一度や二度では無い。そして徐々に徐々に期待に応えることで信頼関係を築いていった。その他も様々な1年間の苦労が頭の中を駆け巡る。やっと今日に辿り着いた。そして思いがけず掛けて頂いた言葉。

私は涙がこぼれるのを我慢しながら膝の上に置いた手を強く握りしめた。照れ隠しの振りをして頭をかきながら下を向いた。しばらくはまっすぐ前を向くことが出来なかった。
幸いにも退任される理事の発言をきっかけにして役職互選の審議が進みだしたおかげで、気持ちを落ち着かせる時間を得ることができた。新しく決まった理事長からは「頼りにしているからよろしく。」と声を掛けて頂いた。管理会社のフロントは達成感を得られることが少なく、モチベーションを保つことが難しいと言われることがある。しかし、どんな仕事でも結局はやりがいに繋がるのは言葉だと思う。これまでに無い製品を作り上げた達成感より、その製品を使ったユーザーから喜びの言葉や温かい言葉を聞いたときの方がより大きな達成感を得られるのではないだろうか。私は、これからも喜びの言葉を頂けるよう、安心して頂ける話が出来るようひとつひとつの言葉を大切にしながらこの仕事を続けていきたいと思う。

 
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特別賞

大和の国で命救う

嵪司 有見子 / 近鉄住宅管理株式会社 / 京奈支店

奈良盆地の東南に位置する桜井市は、古代日本の中心地であり仏教の伝来、万葉集の編纂、土舞台における最古の芸能の発祥、最古の市、最古の街道など『はじまりの街』です。また大和三山とならび万葉集にも詠われる『神宿る山』と信仰され、山そのものが御神体であり、『古事記・日本書記』と古代より人々の心の拠り所となっている三輪山があります。『三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなむ隠さふべしや』(万葉集) 私が清掃員として勤めるマンションはこの桜井市を一望出来、三輪山を真正面にして遠く大和三山を眺めることの出来るとても豊かな自然に囲まれています。

「おはようございます」といつものように元気な挨拶で始まった、ある寒い朝の出来事でした。
そのマンションに住む一人暮らしの高齢のご婦人を訪ねてきたお客様がおられました。そのお客様が「何度チャイムを鳴らしても出て来ないので・・又きます」と帰って行かれました。・・・え~?・・いない?・・それを聞いて私は変だなと感じました。なぜなら、その人は足が少し悪く一人で遠くに出掛ける事は不可能だし・・・・人と約束のある時は自分からマンションの外へ出てきて、来客を待つ几帳面な方です。私達マンションスタッフを見かけると「ご苦労様、頑張って下さいね。」といつも声をかけてくださる優しい方でもあります。不安にかられた私は念のためマンション周辺の公園などを探してみましたがいらっしゃいませんでした。

ご婦人の部屋の中で何かがおこってるのでは??・・私も前職で医療の現場に身を置いていたものとして・・最悪の事態が私の頭をかすめました。すぐに私はご婦人の部屋の前へ飛んで行き、玄関ドアが閉まっていたので・・・ドアの新聞受け隙間から「○○さんいますか?」と大声で呼びかけました。返事がありません。何度も繰り返して呼んでも・・応答がありません・・。

冬でリビングと玄関の間のドアもきちんと閉められて聞こえにくいのかなと、より大きな声で「おはようございます。いたら返事して下さい」「○○さんいますか?」と呼びかけましたが・・反応がありません。。
私はこのマンションに長く勤務し、ご婦人の生活リズムも最近の体調も知っていたため益々不安がつのり、心配!やっぱり諦められない!堀川管理人さんに事情説明し暫く声かけを許可して頂き、他のスタッフ方々にも仕事分担と、声かけ応援協力していただき、マンション中響くような大きな声で何度も「○○さん~○○さん~」とその方の名前を呼び続けました。
30分も経過した頃、部屋の中から小さな声が聞こえた!・・・・判断は間違ってなかった!部屋にご婦人はいる!と確信した私は又新聞受け隙間から根気よく話しかけました。

数分後・・・・・・・・・・・・「助けて~助けて~」と弱々しい声が聞こえました。中の状況がわからないが倒れて動けないのではないかと想像しました。・・・・弱々しい声がとぎれがちになる。どんどん時間だけが過ぎにいった。ご親族も遠方でドア合鍵もない。
「○○さん鍵はどこにあるの?」「頑張って声出して答えて!」「動けますか?」と大きな声の問いかけに、かすかな声で・・「鍵は・・窓・・・に・・かけてある」とかろうじて聞こえました。外から窓の所の枠の中に手を入れ、あちこち探したが・・ない・・焦っていたせいか、なかなか見つかりません「落ち着いて!落ち着いて」と自分にいい聞かせた時、鍵が手に・・・「あった!あった!」急いで鍵を開けスタッフと一緒に室内に入りました。
リビングルームの中で顔をパンパンに腫らして意識もうろうとしたご婦人が倒れていました。「助かった・・怖かった・・ありがとう」と弱った声で涙を流すご婦人の姿に私達も涙を禁じえませんでした。
「もう大丈夫!大丈夫ですよ。後少し寝ちゃダメヨ!もう少し頑張って下さいね!」と声かけ救急車を手配し、無事をご親戚に連絡しました。朝から・・救出され安堵した頃にはお昼前になっていました。よかったです!
その後に聞いた所によると、ご婦人は前日の夕方に倒れ、水も飲むことも出来ず寒い部屋で倒れたままの状態で一夜過ごしもうダメかと意識もうろうとした時、外から呼び掛ける声が聞こえて・・次第に意識が薄れかかる中で・・必死に声を出したとのことでした。ご婦人のその後は元気になられご親族方々に見守られて平穏な晩年を暮らされて・・数年前に他界されたと風の便りに聞きました。

高齢社会むかえつつある現在、考えなければならない課題は多々あると思います。しかし〔あいさつ〕をすること日々の中でお声掛けの活動は、やろうとすれば誰にも出来ることであり、その積み重ねが日頃のコミュニケーションとなり、素早く異変に気付き何人もの協力のもと、ご婦人のお命を救う事対応出来たと思います。マンション居住者様と又、スタッフ一同の信頼関係の大切さと連携が重要と学び、勤務13目に向かえ、今朝も大和の素晴らしいロケーションの中、元気な挨拶から、私のマンション勤務の1日の始まりです「おはようございます~~」

 
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特別賞

退去したお子様からの手紙

杉町 竜童 / 株式会社穴吹ハウジングサービス / 分譲管理九州事業本部 福岡第1営業部第2課

「おはようございます!」「いってらっしゃい!」、あるマンションの朝は彼女の元気な挨拶で始まります。これは私が担当しているマンションの管理員さんのお話です。

私が管理員さんに初めてお会いしたのは、このマンションを新しく担当させていただくこととなり、引継の為に前任者とともにマンションを訪れた時です。「お疲れ様です!!」
マンションに到着し、エントランスに向かって歩き出した矢先、明るく大きな声が聞こえたと同時に笑顔で近づいてきた女性がいました。
その時は、「元気な人だなぁ」と思ったぐらいでしたが、この方の人柄が分かるまで時間はかかりませんでした。
なぜなら私がこのマンションに訪れる度に目にする光景は、他のマンションではなかなか見ない光景だからでした。
それは管理員さんと話した後、出かけていく居住者の皆さんがいつも笑顔であること、そして管理員室前に彼女と話すために列が出来ていることでした。

担当になって数ヶ月過ぎたある日、管理員さんより一通の作文を受け取りました。聞けば、先日マンションを引っ越される居住者のお母様から「こどもが書いた作文ですが是非読んでほしい」と渡されたとのことです。きっとマンションの設備を題材にした作文でも書いたのかなぁと思いながら読み進めていくと、それは管理員さんについて書かれているものでした。小学生のお子様が書いたその作文はとても純粋で、私自身あらためて気づかされることが多く、そして何よりとても心が温かくなり幸せな気持ちにさせてくれる内容でした。

【以下お子様が書かれた作文の原文です】
ぼくが話すのは、マンションの管理人さんです。管理人さんは、マンションに住んでいる人か、遊びに行ったことのある人しかしらないと思います。管理人さんは、いつも、マンションをそうじしてくださったり、マンションに危険がないかなどをてんけんしてくださっています。そしてマンションの人一人一人に、明るくあいさつや話しかけてくれるので、あいさつしただけでも自分の気持ちが明るくなります。ぼくはこの、管理人さんに、明るく元気よくあいさつすると、相手の気持ちが明るくなるということを学びました。ぼくが、学校に行けていないときには、「だいじょうぶや!元気出して。」などとたくさん声をかけてくれました。管理人さんは、いつでも明るく声をかけてくれます。その言葉からは、見守ってくれてるという気持ちが伝わってきます。
今ぼくは、明るい声で話すように心がけています。これはぼくが、管理人さんとの出会いから、「明るい声が相手を明るくする。」ということを学んだからです。管理人さんのしてるように、明るい声で話しかけると、相手は明るくなり、自分も明るくなります。今まで以上にいろいろな人と仲よくなれると思います。これからも、「明るい声で相手を明るくする。」を忘れずに、周りの人に明るい声で話しかけて行きたいです。

管理員という仕事は、マンションの清掃、異常が起こっていないか等の確認や点検、そして居住者の意見や相談を聞いてサポートする等、多岐にわたります。この管理員さんは、毎日忙しい業務を行いながら、常に居住者の事を真剣に思い、考え行動され、そしてそこにはいつも明るい挨拶があります。その気持ちが住んでいる方に伝わり、挨拶がマンション全体を明るくしています。「大きな声で明るく元気に!」学校や職場の研修、これまで幾度となく教わった挨拶ですが簡単な様に思えるこの挨拶は実はとても難しいものです。今、あらためて私も、お子様と同じように元気に明るく挨拶をするよう心がけています。

「おはようございます!」「いってらっしゃい!」、今日も彼女の元気な挨拶とともにマンションに笑顔があふれています。

 
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特別賞

災害対応経験の継承 ~東日本大震災・熊本地震を経験して~

早坂 章 / 株式会社大京アステージ / 技術管理部 企画推進課

2016年4月25日(月)の午後3時、私は大地震発生から11日後、熊本の地に到着しました。その現地入り翌日、とある管理組合理事会での出来事、そして自分が感じたことを記したいと思います。
その前に・・・。熊本地震発生から去ること5年前の2011年、仙台にいた私は被災者として、そして管理会社のフロントとして、東日本大震災を経験しました。地震発生から揺れ続いた180 秒間の恐怖、そして1 年半が経ち、担当マンション15棟全ての復旧工事が完了し、お客さまとともに苦難を振り返ったことは、鮮明に覚えています。フロントとして震災直後の緊急対応、その後の混乱期の対応、理事会・総会の合意形成フォロー、震災復旧工事の完了まで、いわゆるマンション復興の道のりの全てに携わりました。各マンションごとにストーリーがあり、ドラマがあり、それらの経験が一フロントであった私に、「マンションの運命は管理会社に掛かっている。担当にかかっている。」とより深く考える契機となりました。自宅も実家も被災し、家族の安否もわからないまま避難先の小学校の体育館から会社に通ったことを思い出すと、この経験を活かさなくてはならない事態が生じないことを願いながらも、災害体験の継承を自分の仕事と思って記録を残してきました。

その願いは空しく、当社で2回目となる現地での震災対応が始まりました。地震当初の1週間は、現在の勤務地である東京本社にて、現地に駆け付けた第一陣の支援情報を確認しながら、最も重要となる現地行政情報の収集に努めました。災害対応は水モノあることは被災生活を通じて痛感しており、自分が担当として行った震災対応の整理、当時の資料をまとめながら、経験者として現地で期待されることが何かを考えながら準備を進めました。第2陣としての現地入りの命が下り、冒頭のとおり、熊本に入りました。自分の使命は「マンションを直すこと」この一点であり、お客さまが管理会社の我々に期待していることは、この方向性を如何に早期に明示できるかであり、現地フロントの支援部隊として活動した記録と記憶を振り返ってみます。

とあるマンションの理事会に参加したのは、地震発生から10日あまり経過した4月26日。開始時間前から理事の皆さまがすでに集まり、ご自身のマンションに無数のひび割れが発生した怖さ、居住の不安、復旧の不透明な道筋・・・あらゆる感情が混ざった混沌とした雰囲気でした。同席する前日に顔を合わせたばかりの担当フロントも被災者であり、当然初めての災害対応経験、努めて気丈に振る舞ってはいましたが、表情に焦りと不安が滲んでいました。不安な表情のお客さまではありましたが、本当にご自身のマンションを愛着がわかるぐらい、積極的に対応されていました。各階の被害状況も把握に努めており、また、行政支援制度の情報収集を行い、避難所に避難された居住者とも連絡を取り合っている様子が伺えるなど、被災から10日程度とは思えない程、力強い対応だと感じました。

基本的にご質問にお答えするスタンスで臨みましたが、理事会の皆さまからは、正直、仙台で一連の震災対応を行った私が驚くほど、被災直後とは思えないレベルのご質問を矢継ぎ早に頂戴しました。お客さまが、戸惑いながらも、すでに復興に向けた第一歩を踏み出している証拠であると思うと同時に、我々に期待いただいているからこそのご質問であると思いました。応急危険度判定、行政の被災判定基準となるり災証明、地震保険等、後々は理事会として居住者に発信しなければならなくなる質問ばかりでした。こちらからご説明しようと考えていた、住宅金融支援機構の復興支援制度などの質問も頂戴し、被災直後の混乱からやむを得ない誤解を含んだものもありながらも、相当な知識量を感じました。

幸いにして私が仙台で対応した知り得る知識と準備資料でお答えできる内容であり、加えて、前日25日に熊本入りした足で向かった熊本市役所で入手した情報を交えることで、現地情報を踏まえた正しい回答をお答えすることができました。話は技術系にもおよび、主要構造部と玄関サッシまわりなどの非耐力壁の説明に始まり、同席の技術者による新耐震以降の建築確認の仕組み、竣工図開いての説明を行うことで、『納得した』との言葉が最後に頂けました。

2時間以上の時間があっと言う間に経過しましたが、私どもの説明にて徐々に場の雰囲気も和み、我々もほっと胸を撫で下ろしました。特に、お客さまが帰り際に足を止め「安心したので避難所からマンションに戻ります」との嬉しいお言葉をいただけたことが、非常に印象に残っています。その後、そのマンションの皆さまは積極的にマンションの復興にご尽力、邁進されております。不安な表情を浮かべていた現地フロントも今ではたくましく復興をサポートしています。仙台では、お客さまに安心できる説明をすることができず、さらにお客さまに不安な思いをさせてしまった記憶が今でも痛いですが、その経験を糧に、所を替え、少しはお客さまにお返しすることができたのではないか、感じています。

災害を経験した管理会社社員は誰もが、とまどいながら奔走した当時を振り返り、結果的に「失敗」だったと思う自分たちの対応を、二度と繰り返して欲しくないという気持ちが強くあると思います。私の支援活動は本当に火事場と言える地震発生から3ヵ月間でしたが、自分が持ち得る経験を現地で活かし、情報を発信することで、微力ながら復興の最初の一歩に関われたように思います。これらのことを振り返り、個人の経験を会社の経験、お客さまの経験として継承していくことが大切だと強く感じており、管理会社の役割であると思っています。

 
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特別賞

サクラ咲く

一ノ瀬 知子 / 互光建物管理株式会社 / 阪南支店

あれは、2017年に入って10日目の寒い日の午後でした。3番館担当の清掃員から管理事務所に電話がかかり、8階の廊下をうろつく迷い犬がいるとのことでした。
管理人がかけつけ、抱っこをするとしがみつき、おとなしくしていたので管理事務所で急遽保護をしました。かわいいトイプードルでした。すぐに飼い主さんが見つかると信じ、ペットクラブの会長に報告、心当たりに連絡しましたが、どこの子なのかはわかりませんでした。マンション内の方がうわさを聞きつけ、管理事務所にゲージやクッション、毛布やエサ、シーツなどを持ってきてくださり、とりあえずワンちゃんが一時生活できるようになったので、世話をしながら便りを待っていました。ただ気になっていたのは、ワンちゃんの毛があまりにもボサボサで目が隠れるほど伸び切り、体はガリガリで首輪も無く、なんとお腹に大きな腫瘍らしきものがありました。何日さまよっていたのだろう? 少し嫌な予感はしました。

2日たち、3日たち、1週間経っても何の問い合わせもない中、住人さんのおひとりがトリミングに出して新しい飼い主探しをしたらどうかとトリミングの費用も負担してくださり、きれいになった状態でペットクラブの会長と相談し飼い主探しのポスターを写真入りで作ってもらいました。あえて名前は付けずに管理事務所で引き続き保護しました。ここのマンションは管理人と警備員で24時間体制の常駐システムなので、ワンちゃんにとっても寂しくない環境で、住人さんも含め、管理人、清掃員、警備員が入れ替わり、立ち替わりで面倒を見て、朝、夕と散歩にも行き、いつの間にか管理事務所のアイドルになっていました。

引き取ってくださりそうな方は数名いましたが、やはり腫瘍があるため飼っていただくまでには至らず、ペットクラブの会長にペットクラブ会議でも話し合っていただいた結果、このままでは飼い主が見つかりそうにもないので、募金を募ってこの子の腫瘍を手術で取って、元気になってから飼い主さんを探そうという結論になりました。
早速、会長にポスターと募金箱を作っていただきました。すると初日からマンションの住人さんやご家族、お友達、こちらに通いの出入り業者の方など、たくさんの方々が募金をしてくださり、ワンちゃんを見に来て下さる方も毎日のようにいて、気が付けばマンション全体が笑顔にあふれ、この子のおかげで管理事務所が憩いの場所となりました。2月4日にスタートした募金はビックリする額となり、さっそく病院で検査を受けました。すると、腫瘍は大きい物は1つでしたがポツポツと全身にたくさん見つかり、全部取りきるためには、大きな設備のある病院でなければならないと紹介を受け、東大阪市の近畿動物医療研修センター附属動物病院でもう一度診察を受け、手術の日程が2月28日に決まりました。

前日の夜に連れて行き、1泊して翌日に手術となり、2時間ほどですべてきれいに取り除く事が出来ました。29日夜に迎えに行くと、ガーゼでまとわれた全身のまま人では考えられないほど元気で、迎えに来た私たちに飛び跳ねて喜んでくれ、検査の結果腫瘍は幸い良性でホッと肩を撫で下ろしました。手術は成功し、それから近くの病院に通い2週間後には抜糸をし、すっかり元気になり傷痕もほとんどわからないほど、きれいになって毛が生え揃えばもう大丈夫という状態になったので、募金は終了させてもらいました。(募金総額は40万弱でした。)

再度飼い主を募ったところ、ある年配のご夫婦が名乗り出てくださり、飼いたいが、初めてのワンちゃんなので不安で少し躊躇されていました。しかし奥様は保護した2か月前から毎日のように会いに来てくださり、この方ならお任せできると犬を飼っている住人さんたちが色々アドバイスをしてくださいました。
3月22日にお世話になった住人さん立会いの下、引き渡しをしました。みなさんからもらった物や募金の残額全てをご夫婦にお預けしました。ご夫婦は桜の時期にちなんでサクラちゃんと名付け、ペットクラブの会長が報告を込めてポスターを作ってくださり、サクラちゃんはこのマンションで1番のアイドル犬になりました。

その後、ご夫婦にたっぷりの愛情を注がれて、まるまる太り、ますますかわいくなっていき、毎日朝は奥様、夕方はご主人が散歩に連れて行かれ、マンション内のみなさんから声をかけられて、とっても幸せに暮らしています。本当に殺伐とした現代とは思えないほど、心温まるうれしい出来事でした。一匹の犬に光を照らし、うるおいを与えて下さったたくさんの方々に感激する2ヵ月半でした。みなさまには感謝の気持ちでいっぱいです。そして…これからも私たちのマンションのアイドル犬サクラちゃん しあわせにね?

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佳作

管理員さんの宝物

古元 綾菜 / 三井不動産レジデンシャルサービス株式会社 / 千葉支店

「すみません。清掃しているところを見せてもらえませんか?」 昨年の初夏のある日、管理員が午前の清掃をしていると突然声をかけられました。そこにいたのはよく知る居住者の女の子でした。 私は管理会社で営業をしております。これは当社で管理しているマンションの管理員と居住者の女の子のお話です。

マンションに入居してきた時はまだ小学生だった彼女も、今では女子大生となっていました。いつもすれ違った時はぺこりとお辞儀をしてくれる彼女が声をかけてきたので、少し驚いたことを覚えています。「大学の授業で掃除機をつくる課題が出ていて、参考にさせてほしいんです。」と彼女が言うと、管理員は快く返事をし、彼女と一緒に清掃へ向かいました。
普段通りエントランスや共用廊下、エレベーターホールなどの清掃をしていると、「清掃をする時に、困っていることはありますか?」と彼女に質問されました。
「ほうきで掃いているから、細かいところのゴミが取りづらいのよ。掃除機もあるけど、重いし大きくて上の階まで持っていくのが大変なのよね。」 「どういったところのゴミが取りづらいですか?」
「エアコンの室外機の裏や自動ドアの溝はいつも苦労しているわ。」
彼女は熱心にメモを取りながら話を聞いてくれました。

それから1か月くらいたった頃、再び彼女が管理員のところへ訪れました。「これ、ちょっと持ってみてください!」そういって彼女はダンボールで作った掃除機を持たせてくれました。もう少し小さい方がいいかしら、もっと軽い方がいいかしらと二人で意見を出し合い、「またきます!」と彼女は帰っていきました。そんなやり取りが夏から冬まで5回ほど行われ、その度に試作品はどんどん姿を変えていきました。そして寒さが厳しくなった冬の日、ついに掃除機が出来上がりました。
掃除機の目標は「掃除時間の短縮」。彼女は管理員の清掃時の動きや苦労を理解して、掃除機を作ってくれました。持ち運びやすさを考慮して軽くて腕にかけることが可能、且つ転倒防止のため、置いたときに安定感があるデザインになりました。さらにノズルが伸びて、手の届きづらいところも隅々まで清掃可能なハンディークリーナーが出来上がりました。

ある日、彼女の親御さんにすれ違った時、「いつも娘の課題に付き合ってくださってありがとうございました。先日、学校で掃除機のことをプレゼンして、1位になったみたいなんです。」と声をかけていただきました。その後彼女からも「無事終わりました。本当にありがとうございました。これ、よかったらプレゼンで使った資料です。」と小さな冊子を頂きました。表紙には「マンション管理員さんのための掃除機」と書かれ、開いてみると掃除機の問題に対して一つ一つ検討し、何十パターンものスケッチが描かれ、最後には形になった掃除機のポイントがまとめられていました。 「おめでとう!私もとっても嬉しいです。」こちらも笑顔で喜びを伝えました。

このマンションが建ってから十数年、月日が経っても美しく保ちたいと毎日清掃に励んできました。管理員の業務の一環ですから、清掃をするのは当たり前です。しかし、その姿を誰かがちゃんと見てくれていたこと、何か不便はないかと考えてくれたこと、それが管理員として非常に嬉しかったのです。
スポットライトを浴びるような仕事ではないからこそ、彼女が気づいてくれて、真剣に考えてくれて、そんな彼女が大学で評価されたということが何よりも喜ばしく思いました。それからも彼女がくれたプレゼン用の冊子をたまに見返して、彼女のことや作ってくれた掃除機のことを思い出しています。管理員として居住者の方の生活を見守っているとともに、居住者の方も管理員の仕事を密かに見守ってくれているんだなぁ。そんなことを思いながら、今日も清掃に張り切って向かうのです。

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佳作

お客様をつなぐ、野菜販売プロジェクトへの取り組み

大山 功 / 鹿島建物総合管理株式会社 / マンション事業部

昨今、大手のマンション管理会社はそのスケールメリットを生かし、洗練された様々な居住者サービスの拡充を図っています。そこで私たちも、マンションのお客様に対し、他の会社には真似することのできない付加価値を提供することはできないかと、皆で意見を出し合いました。そうして纏まったのが、当社の取引先であるマンション以外の顧客と提携して、その企業が取り扱っている商品をマンションのお客様にご提供するというアイデアでした。当社がビル管理業メインであることを逆手に取り、その得意先企業の商品の中から、マンション居住者のニーズに見合った商品を選定し販売することで、ビル管理とマンション管理の双方のお客様に喜んで貰うことができるのではないか、と考えたのです。

その後も具体的な検討を重ね、このアイデアの最初の対象とするお客様として、東京都小金井市に本店を置く農業協同組合「JA東京むさし」様と、東京都に立地するタワーマンションを選定しました。即ち、「JA東京むさし」様の取り扱う新鮮野菜をタワーマンションの居住者の皆さまに提供する産直野菜の販売会を企図しました。ただ、こうした食料品の販売企画だけでは単なる紹介に過ぎず、当社の存在感をアピールすることができません。そこで私たちが考えたのは、私たち管理会社の人間が、自ら野菜を集荷して現地に運び、私たちの手で販売するというものです。この企画の目的は、お客様との接点を創出すること、喜んで頂くことですので、野菜の販売による採算は考慮せず、原価のまま販売し、販売スタッフも社員有志であたることとしました。

利益に直結しないどころか、持ち出しの生ずるこのアイデアに対し、社内の理解を得ることは大きな課題でしたが、上層部は理解を示してくれ、社有車の使用許可に加え、営利を目的とせずに行うようにとの指示まで得ることができました。
「JA東京むさし」様、タワーマンションの理事会様、どちらもこの企画に快諾して頂き、2015年11月24日、遂に初めての野菜販売会を実施することとなりました。この販売会は予想を遥かに上回る活況となり、次回販売日の問い合わせが相次いだことから翌月には第2回の販売会を実施、今では月1回の定例行事となりました。

平日日中の開催にもかかわらず、毎回、販売開始後一時間を待たず搬入野菜の八割方が売れてしまう盛況ぶりからも、本企画に対するお客さまの評価が見て取れます。また、実際に販売をしてみると、商品を手に取るまでに販売員である当社の社員と会話をしている居住者が多いことが分かりました。居住者は新鮮な野菜という「物」だけを求めていたのではなく、人と人との「ふれあい」も楽しんでいただいているように思われます。そしてこの「ふれあい」は、販売員として参加している当社の社員にもプラス効果をもたらしました。

日々苦情との戦いに追われている当社社員にとって、住民からお礼を言われる機会は稀であり、日常業務を遂行する上でのモチベーションアップにもつながることとなりました。まとめ買いした野菜の袋を持って帰宅しようとする足の悪い居住者を見かけたある社員は、その居住者に「私がお運びしましょう!」と声を掛け、自宅まで野菜を届けました。このようなサービスは事前に想定したものではありませんでしたが、「ふれあい」によって生まれた親近感と、お客様のニーズをくみ取ろうとする姿勢とが相まって、このような行動につながったものと言えます。こうしたことで、直接の物件担当ではないにも関わらず、居住者と顔なじみになる社員も生まれました。

そして、野菜販売が定例化したことで、開催日のロビーでは販売開始時間前から居住者が集まり談笑する姿や、近隣のご友人を招いて一緒に野菜の購入を楽しんだり、或いは大きなキャベツや袋詰めのジャガイモなどを数人で購入して分け合う様子などが、当たり前の風景となりました。これは、私たち管理会社のお客様同士をつなぐこの企画が、回を重ねることで居住者さまの生活の一部として浸透し、居住者さま同士をも“つなぐ”ことに成功したものと思っております。

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「尊敬する人」

齋藤 正二 / 野村不動産パートナーズ株式会社 / マンション第二事業本部 東京北支店

私は、東京都にある78戸のマンションで管理員として勤めて8年になります。マンション周辺の桜が綺麗に咲いてきた、今年の4月7日、中学校の入学式から戻られたマンションにお住まいのBさんから、お子さんが中学に入学した記念に一緒に記念写真を撮りましょうと、お誘いを頂きました。マンションに住む子供たちが年々大きくなっていく姿を近くで見ることが出来るのは、本当に幸せなことで、これまでにも、子供たちの節目にマンションのエントランスで一緒に撮った記念写真は宝物として大切にとっております。

マンションのエントランスで記念写真を撮った後、Bさん親子と立ち話をしていると、私が小学校の保護者の中で話題になっているとの話がありました・・・マンションの管理員である私が小学校の保護者の中で話題に?自分でもなんでだろうと?頭の中は「?」だらけでした。Bさんに詳しく話を伺うと、小学校の保護者の会の会報誌に、「卒業する6年生に聞きました」のコーナーが掲載され、担任の先生から新中学生になる6年生に向けた質問で尊敬する人はだれですか?という質問があり、マンションに住むAさんの息子さんが「いつも側で見守ってくれたマンションの管理人さん」と書いていたとのことでした。

他の生徒さんは、スポーツ選手、芸能人などの著名人や、親兄弟、担任の先生などと回答されている中に、マンションの管理人さんとの回答があり、保護者の方々の中で話題になったようです。後日、Aさんから、小学校の保護者の会の会報誌を見せて頂いたのですが、息子さんが素直で堂々として書かれた「尊敬する人・・・いつも側で見守ってくれたマンションの管理人さん」を見た時には、感動で涙が出ました。これまで、Aさんの息子さんに、特別な思いを持って接してきたわけでもなく、他の子供たちと同じように、顔を見かけたら「いってらっしゃい」「お帰りなさい」と挨拶をして、野球をしている少年なのでユニホーム姿で出かける時には「野球、頑張って来てね」と声をかけるくらいでした。

マンションの管理員として、居住者に声をかけ、清掃や巡回を極当たり前に行ってきた自分に対して、「いつも側で見守ってくれたマンションの管理人さん」と、自分を尊敬する人として書いてくれた活発な野球少年に対し改めて敬意を表し、そして、マンション管理員の仕事に携わってきたことに改めて誇りを感じることが出来ました。Aさんご夫婦も、大変喜んでおられ・・・その姿に、また涙の私でした。

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「独り暮らしの高齢者について」

松本 茂 / 住友不動産建物サービス(株) / 東京西第二事業所

私はマンション管理員として13年勤務しています。
最近独り暮らしの高齢者の方が増えてきていますが、マンションにおいて高齢者の方と一番向き合っているのが管理員ではないかと思います。管理員として高齢者の不測の事態にどのように対応していけばいいのか真剣に考えています。

最近、当マンションでありました事例をご紹介させて頂きます。
ここにご紹介する高齢者の方は身寄りも友達もいない独り暮らしの老婦人(ご主人は2年前に他界)で、唯一の友であるペットの子犬を10年近く飼い、子供のように可愛がり一日2回毎日欠かさず散歩をされていました。また、日頃から自分の健康管理にも気を配り、体調が悪いとすぐにかかりつけの病院に行かれ細心の注意を払っておられました。

ある日、犬の散歩中に倒れ、通行人の通報で救急車で病院に運ばれましたが、病院の診断で特に異常が無いとの事で、その日のうちにマンションに帰ってこられました。この老婦人に身寄りの方がおられればその方に連絡し、その後の事をお願いすれば管理員としての務めは終了ですが、身寄りがおられない状況でしたので、ペットの子犬の保護、親族の照会依頼、管理会社へ状況報告等を行いました。その後老婦人と毎日接している中でときどき言動などに異常が認められ心配をしていました。今後不測の事態も起きる可能性があると思いましたので、私の両親の10年近い介護の経験から行政機関の活用を考えました。

区の高齢者総合相談センターに行き老婦人の実情を説明し協力して頂きました。
保健師(窓口)の指名、介護認定、介護保険の適用、居宅介護支援業者(ケアマネージャー)の選定、サービス提供等、迅速に対応して頂き支援体制を確立することができました。
後日、この老婦人がマンションのエントランスで再び倒れ救急車で病院に運ばれましたが、今度は脳梗塞の疑いがあるとの事で緊急入院をされました。
今回はこの支援体制のお陰で老婦人への対応も円滑に行われました。その後、成年後見人が指名され、窓口は全部そちらに移されましたので私も安心致しました。
またペットの子犬は後日新しい飼い主に引きとられ殺傷処分を免れました。本当に良かったです。

この体験を通して管理員の職務としてどこまでマンションの居住者の方の生活に立ち入ることができるのか随分悩みましたが、不測の事態が起きた時は「居住者の生命と財産を守る最後の砦は管理員しかいない」と前向きに考え対応させて頂きました。
最後に、これからも住民の方々が安心して暮らしていただける様に管理員として誇りを持って勤めてゆきたいと思います。

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大切な縁

星野 好子 / コミュニティワン(株) / 横浜支店 南ブロック

あっという間の9年、この仕事も来年で定年です。様々な経験も着任したころより重く深く感動も数えきれないほど今の私の心は追い風に凧を揚げるそんな月日です。
居住者様のお子様の誕生日を祝ったり、入学式、卒業式と子供達の成長を目の当たりに出逢えたりとこの仕事をして自分の天職だと気づかされました。無事に有終の美を飾りたいと自分なりに願っています。
来年の春までに・・・と。マンションのお子様たちは、成人になり結婚をした子、就職をして頑張っている子、今まさに受験に取り組んでいる子と、皆思い思いに進む道に向かっているようです。
病気になった人も元気な人も、毎日顔を合わせる人も、世間話しをする人も、悩みまで話を相談してくれる人と様々ですが、年月は信頼をも思い仕事として下さった宝物です。
知的障害の子と出逢い、話すことも通じることなくこの日まで見つめてきた高校生になったA子ちゃん、仕事先までひとりで通えるようになったBくんも、りっぱな社会人です。
二人とは意思の疎通は出来ぬとも、私の仕事をちゃんと理解できているのに驚いています。

一日の仕事も時間の過ぎるのを忘れるくらい多忙です。目の前の道路も狭く、車が通る時は、お年寄りに声を掛けて事故の無いよう心掛けています。そんなこともありお付き合いが始まりました。元気に歩いていた人も、今は杖をつかい車いすも使い買い物に行く姿を見かけます。お互いに会えば世間話や身体のこと、孫のことを話題にします。私との出逢いはいつだったっけと・・・。物忘れに近いことも、話した内容も思い出せない日もありますが、思い出すまで話をすることもあります。
スタスタと歩いていたおばさまは、自宅から一歩も出れず入退院を繰り返していますが、気分の良い時は散歩に車いすで、うれしそうです。目と目が合うと手を握りしめて、「ご苦労さん」と声を掛けていただき着任したころの私の話しを思い出していただいています。
周りの様変わりにびっくりしているようでした。「ずっと元気だった」と言われると胸が熱くなり、私から返す言葉を言えず、早く良くなってねとかけるのがつらいです。

去年の秋のこと、今日の仕事が終わる一時間前の大きな出来事でパニックになりました。
道路を歩くひとりの女性の大変な場面に、かかれることになるのでした。具合の悪そうな顔をしてフラフラと歩いて帰る人が、面識はあるのですが、思い切って声を掛けました。「どうしましたか」とすると、「自宅まであと少しのところで歩けなくなり私に気づくと家まで肩を貸してくださいと言われ、私は心配のあまりおんぶをしてでも助けてあげなければという思いで決心をしました。洋服も汚くなってどこかで転んだのでしょうか、心配になり部屋まで付き添って行ったのですが、本人は、もうろうとしています。ひとり住まいの方なので私も戸惑ってしましましたが勝手がわからないまま部屋に入り体を横にしてあげるのがいっぱいいっぱいでした。息子さんがいるとのことで連絡をした上で私は仕事場に戻りましたが、気になって、気になっても様子を見に行くこともできず、その日は帰宅をしました。その後の数時間は想像もしていませんでした。きっと息子さんが来てくれていると信じて、私は家路につきましたが、夜に救急車で運ばれたことを後で聞きましたが肺炎だったそうです。もしあの時に・・・連絡をしていて良かったと・・・。

本人は入院になり退院した時には、感謝の言葉をいただき今思えば良い結果に向かって元気になって、あなたが命の恩人ですと言われそれ以来、大切な友としてお付き合いをしています。ご高齢者が行ったり来たりと前の道を通る度、必ず声を掛けています。今日も「気をつけて、いってらっしゃい」と・・・
居住者様にもお出かけになる時掛ける言葉は、お互いの健康のバロメータを知る意味でも忘れぬように習慣づけています。
当たり前のことがなかなか出来ない今の時代です。ひとつのマンションでお仕事をさせていただいて得たものの大きさに私にとっては大事な財産として残していきたい。

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「(素直な気持ち、、、そして)」

児島 弘美 / 互光建物管理(株) / 阪南支店

私は大阪府のT 市にある築16年のマンションの通勤管理員をしている50代の女性です。
この仕事をはじめて丸3年になります。
これは6階に住むK様の話です。70代の仲の良いご夫婦が住んでいらしたのですが、昨年病気で旦那様が他界されました。
奥様はかなり落ち込んでいらしたのですが、娘さんたちや親せき、友人に支えられ、またボランティアも始められ少し元気になられました。今月は一周忌の法要があるので忙しいわ、と。バルコニーやお部屋を片付けるのだとおっしゃってました。そんな折、管理事務所まで来られ「トレイの温水便座が壊れたので法要までに間に合うよう、業者さんを紹介して欲しいの」と頼まれました。マンション共用部の修理・修繕をする際、2~3社で相見積もりをしています。その際、いつも良心的な価格でていねいなN建設を管理組合でよく使っていることを説明して、紹介しました。

K様宅へN建設の人がたずねてきたのは知っていますが、いつもとは違う若い人だったので内心、大丈夫かなと思っていました。
その日、私が帰宅する頃、K様が管理事務所まで来て「本当に良い人を紹介してくれてありがとう。私、今とても心が気持ちいいの」とおっしゃいました。
お話しを聞くと、K様は旦那様他界後、娘さん、親戚、友人の訪問はあっても、修理業者等の知らない方の訪問はなかった。訪問はいいのだが、真新しい仏壇を見たりすると、最近、誰かが亡くなったお宅だな・・・、このおばちゃん一人で住んでいるのかな、と気持ち悪く思われたり、あわれに思われたりするのだろう。そんなことを考えていたそうです。

ところがその業者(青年)は「仏壇に手を合わさせてもらっていいですか?」と言い少し涙ぐんだそうです。K様がたずねると、青年のお父様の姿と重なった、と言ってたそうです。
K様はそれから無事、法要を終えられました。もちろんトイレの修理も間に合い料金も良心的だったそうです。青年のことでとても気をよくされたK様は、後日、N建設の青年の上司に電話し「とても良い社員をおもちですね」と伝えたそうです。もちろん上司も喜んでいたそうです。

私は青年の行動に感心しました。そしてK様のおほめの電話にも感動しました。
人の失敗や間違いをみつけクレームをつけたりする人、言いがかりをつけたりする人、と嫌な人が目立ちますが、K様みたいな人もいるのだ、と私が心温まりました。素直にありがとうを言う、感謝の気持ちを伝える、人をほめる、など少し照れくさくて行動しにくいことですが、それを伝えたことで相手の方もしあわせな気持ちになれます。また、仕事への活力にもなります。私も見習っていきたいと思いました。そして、視点を変えて、相手の良い点を見ていく人間になりたいと思いました。

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