mainView
LM馬込エントランス(補正)

マンション管理は経営と同じ ――「居住者満足度調査」で、マンションの価値を上げる

マンションの管理組合の運営は大変なものです。ほとんど何の知識も経験もない人が役員となり、短い任期の中で様々な業務をこなす必要があります。業務といっても、小さな住民トラブルからマンション全体の予算の管理まで、その内容は多岐にわたります。「マンション管理は経営、居住者はお客様」と考え、居住者の満足度を高めるための取り組みを続けているマンションをご紹介します。

その他

管理組合は会社組織! 居住者は一番大事なお客様

0428LM馬込夏祭り中庭の修正

戸建て住宅の多い町並みの中にあるライオンズマンション馬込マークヒルズは、総戸数140戸のマンション。全国的にも珍しい「居住者満足度調査」を行っているマンションです。

この調査を始めたのは、前理事長が3度目の理事長を務めた6期目から。「5期目に理事になって少し違う視点から管理組合の業務を見ているうちに、ふとこれでいいのかと疑問が湧いたんです」と前理事長は言います。

疑問とは、管理組合の業務が本当に居住者のためになっているのか、ということでした。「マンション管理を“経営”と捉えたら、管理組合は会社組織で理事長は代表取締役社長、理事会は取締役会だな、と。それで一番大事なお客様はというと、マンションの居住者だと思い至ったんです」。

最初に理事長に就任した3期目より「地域社会との調和を図りながら、居住者満足向上と資産価値向上を図る」という理念を設定し、期首に活動基本方針を設定。それに沿った具体的な施策を設定して運営する。まさに会社組織の運営と同じです。

夏祭りのときの中庭の様子

管理組合はサービス業? たくさんの声を集めて満足度アップへ

居住者の声ポスト(ヨコ)

管理組合を顧客(=居住者)の満足を提供するサービス業と捉え、居住者の声を吸い上げるために考えたのが、「居住者の声ポスト」と前述した居住者満足度調査の実施でした。

居住者の声ポストとは、居住者から管理組合に宛てた意見要望を投函するポストのことで、ちょっとしたトラブルや改善してほしいことなどを書いて投函してもらいます。もともと管理組合のポストに苦情などの手紙が入っていることが時々あったそうで、それを居住者に分かり易くさせたものです。

居住者満足度調査とは、毎年4月にアンケート形式で行われるもので、全居住者を対象としています。居住者の声ポストが問題に対して早めに対応できるのに対して、スピード感には欠けますが、大勢の声を拾うことができる点が利点です。

どんな意見が寄せられた? 居住者の声を即実行!

LM馬込増やした掲示板修正

居住者満足度調査の内容は、イベントに関する理事会活動についての質問が7項目、理事会活動全般についてが10項目、マンション生活についてが11項目にわたり、それぞれ5段階で評価をしてもらいます。さらに、管理組合に対しての意見や要望などを書き込むことができる欄も設け、より具体的な声を拾うことができるようになっています。

この調査は今年で6回目を迎え、回収率は毎回6割程度。実際にそれを受けて改善されたことはたくさんあります。

例えば、「出前を取った時の返却皿が床に置かれている」という意見に対しては、出前専用の箱を購入しエントランスに置く。「掲示物が多すぎて掲示板回りが汚い」という意見に対しては、掲示板の数を増やし内容ごとに区分して整理する、というように、生活の中で気になるちょっとしたことが少しずつ改善されてきました。

また、イベントに関する項目では、「サロンコンサート」をやってほしいという要望がありました。ちょうど居住者の中にプロの演奏家がいたため、その人らを中心に集会室でコンサートを開くようになって、すでに3年が経ちました。「毎年開催してほしい」という意見もあり、収容人数に限りがあるので毎回すぐに定員いっぱいになってしまうほど好評だということです。

数を増やして整理した掲示板

調査票は理事への評価! 結果に誠実に対応することが重要

0428LM馬込懇親会の様子修正

「調査票は理事たちにとって通知表のようなもの」と前理事長は言います。5段階での評価をポイント化して経年で見たときに、評価が下がってしまったところは次回への反省点として申し送りをするようにしているそうです。そのため「継続が課題」と前理事長。

「声を出してもらった以上、それに対して一つひとつ丁寧に答えることがとても大事。実際に調査票に書かれた声には、すべてに回答をつけ、集計結果を書類にして全戸に配るようにしています」とのこと。しかし、手間暇のかかる作業であるため、後任の理事長が面倒がってしまえばそこで作業が途切れてしまいます。

そうならないために、管理会社の協力と引き継ぎのシステムに工夫を施しました。当マンションの役員は2年任期、1年ごとに半数改選制をとっているため、前年からの役員が新役員に調査の意義を説くとともにやり方を引き継ぎ、管理会社には書類づくりや回収作業などの事務処理を引き受けていただきました。

管理組合では、管理会社を業者ではなく「パートナー」と考えています。実際に調査の事務作業だけでなく、イベントや日常業務においても「管理会社の担当者がいなければ管理組合業務の遂行が困難」だとお2人とも口を揃えます。このように管理会社からの協力を仰ぎながら、居住者の満足度をアップさせ、マンションの価値が上がるよう組合運営を進めているのです。                  住民懇親会の様子

概要(取材年月:2015年03月)
  • 建物名:ライオンズマンション馬込マークヒルズ
  • 所在地:東京都大田区
  • 階数 :11階建て・1棟(3棟連結)
  • 総戸数:140戸
  • 竣工年:2005(平成17)年
  • 管理形態:委託管理
  • 管理会社:(株)大京アステージ
  • 総会開催:3月
  • 役員数 :13名
  • 役員任期:2年(ただし、1年ごとに半分改選、再選は妨げない)

マンションライフをサポートする関係団体(リンク)