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23区初の事例!災害時に「マンション共用部分を避難所として使用する協定」を品川区と結ぶ

「パークホームズ武蔵小山」(東京・品川区)は2012(平成24)年、集会室などを災害時に避難所として使用するという協定を、品川区と結びました。

防災・防火

東日本大震災をきっかけに本格的な防災準備開始

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2011(平成23)年3月11日、東日本大震災が発生しました。パークホームズ武蔵小山では3基のエレベーターがすべて停止、高層階の居住者は深夜までロビーで待機することになりました。

また、最寄りの武蔵小山駅周辺は、多くの帰宅難民者で溢れかえりました。自宅に帰れなくて困っている人々を見て居住者らは、急遽マンションの一部を解放し、避難者の受け入れを実施しました。

理事会は、この体験を契機に、本格的に防災について話し合いを開始しました。

まず、修繕積立金で、水や非常食、ヘルメットなど防災備品を購入することを考え、試算してみたところ、多大な出費となることがわかりました。水や非常食は、古くなれば新たに購入する必要もあるため、さらに出費はかさみます。

いろいろと調べているうちに、マンションの共用部分を避難所とするという協定を区と結べば、区が用意した防災物資を備蓄しておけることがわかりました。

その後、臨時総会を開いて組合員に説明し決を採ったところ、大多数の賛成を得る結果に。もともと規約で共用部分の外部貸しが可能となっていたため、スムーズな採決となったそうです。なかには、区と提携することによって安心感が増すという意見もあったといいます。一方で、避難所とすることで、部外者が住戸にまで侵入するのではと心配する声も聞かれました。

管理組合理事たちが品川区へ打診し、補完避難所に認定

区の防災課に相談すると、さっそく現場の調査が行われ、避難所としての条件をクリアしていることがわかりました。その後は手続きが進んで、災害時にはマンションの集会室を補完避難所として貸し出すという協定を、区と結ぶことが決定しました。補完避難所は、居住者はもちろん、周辺地域住民や帰宅難民者が利用できます。そして、2012(平成24)年1月17日に、品川区役所で締結式が行われました。

避難所として指定されたのは、地下1階と1階にある2つの集会室と地下集会室に隣接しているデッキです。

1階の集会室は、収容人数は約100名の広さです。地下1階の集会室のなかには仕切りがあって、2部屋に分けることも可能です。地下の倉庫は、備蓄品保管用として区に貸し出しました。なかには、アルファ化米1,800食、乾パン500食、飲料水 1,200リットル、毛布 600枚など、品川区が用意した約600名分の物資が保管されています。ただし、これらの物資はあくまでも避難所として備蓄しているもの。管理組合は、居住者へは各々最低限の備蓄をするようお願いもしています。

マンションには、メインエントランスの他にもう1つ外へ出入りできるドアがあり、そこから直接集会室へ行けるので、避難者はこの入口から誘導できます。ロビーへ続くドアは、居住者専用の暗証番号でしか開かないタイプですので、心配されていたセキュリティ面もクリアできることがわかりました。

また、避難所として使用された後の原状回復にかかる費用も区が負担する決まりになっているため、管理組合側に負担がかかることはありません。

なお、避難所としてしっかり機能させるためには、管理組合も協力する必要があります。1階の中庭で炊き出しをすることも考えて、だるまストーブを購入し、さらに停電したときのため、カセットボンベによる発電機なども購入しました。

実際に災害が発生したら……

災害が発生すると、防災無線によって品川区から管理組合へ連絡が入ることになっています。区から指示があった時点で集会室は、避難所として機能し始めます。指揮は、品川区の防災担当者がとることになっています。

概要(取材年月:2014年11月)
  • 建物名:パークホームズ武蔵小山
  • 所在地:東京都品川区
  • 階数 :地上19階 地下1階
  • 総戸数:278戸
  • 竣工年:2008(平成20)年
  • 管理形態:一部委託
  • 管理会社:三井不動産レジデンシャルサービス(株)
  • 総会開催:毎年11月
  • 役員数 :9名
  • 役員任期: -

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