mainView
理事会風景③

どうすればいい? 管理組合の新型コロナウイルス対策【前編】

新型コロナウイルスの流行によって、様々な行動制限がなされてきた日本。多くの人が生活を共にする場であるマンションでは、どのような対策をすればいいのか、頭を抱える管理組合は多いと思います。感染拡大初期から対策を取ってきたマンションの事例をご紹介しましょう。

防災・防火その他

感染拡大初期から対策を取る

OLYMPUS DIGITAL CAMERAJR京浜東北線「新子安」駅から徒歩4分。「ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン(以下、ザ・パークハウス横浜新子安)」は、ファミリー層を中心とする総戸数497戸の大規模マンションです。若い理事らが先頭に立ち、管理組合の立ち上げ当初から様々な改革を断行してきた様子は、当コーナーでも何度かレポートしてきました。

 

ところで、全世界的に新型コロナウイルスが蔓延し、緊急事態宣言が発出されたことにより、行動制限をはじめとした対策が迫られています。特にマンションは、大勢の人が生活をする場であり、テレワークや学校の休校措置により自宅にいる機会が増えたことによって、多くの人がマンション内にとどまることになり、感染防止のための対策が必要となりました。この問題には頭を抱えている管理組合も多いことでしょう。

 

ザ・パークハウス横浜新子安では、コロナ対策を積極的に行ってきました。初動対応としては、厚生労働省や横浜市のチラシなどから引用した啓発文や注意喚起のイラスト等を掲示板に貼ったり、エントランスに設置しているデジタルサイネージ(電子掲示板)に掲示したりしていました。また、特定の共用施設の利用を制限したり、清掃の際には、これまでも行ってきた消毒作業を、エレベーターのボタンなど人がよく触れる箇所について重点的に実施してもらうよう、管理会社に要望するといった措置などもとりました。

 

 

緊急事態宣言を受け、管理会社へ業務内容の変更を依頼

OLYMPUS DIGITAL CAMERAそして、4月7日に神奈川県を含む7都府県に「緊急事態宣言」が発出。それを受けて理事会では、管理会社に対して以下のような業務内容の変更依頼を出しました。
・管理員務……2名同時勤務体制の短縮(常駐時間8時~20時に変更なし)
・コンシェルジュ……受付時間の短縮(8時~20時を10時~19時に変更)
・日常清掃……週7日の業務をゴミ収集日(月・火・水・土)の4日に削減して実施
・定期検査……専有部分立ち入り業務以外は実施を依頼

 

「管理業務のために私たちのマンションに通ってきてくれている人たちのことを思えば、来ない(マンションに行かない)のが一番なわけですが、居住者の立場からみると、すべてのサービスの提供をなくしてしまうのは難しい。管理会社の人が出勤する頻度と滞在時間を減らしながら、住人の環境も守る、というバランスを考えました」というのは、理事長の石川さん。勤務時間の短縮措置などは、理事たちの話し合いによる苦肉の策でした。これらは、4月11日に話し合われ、22日から実施。緊急事態宣言が解除される5月末まで続けられ、現在は元の勤務時間に戻っています。

 

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA管理会社の取り組みとしては、コンシェルジュのいる受付前に透明のアクリル板を設置したり、人が触れるところを優先的に清掃しました。また、ゴミ置き場にはドアがついているのですが、不特定多数の人がドアノブに触るのを防ぐため、ドアを開放することにしました。なお、ドアを開け放したことによるトラブルなどはなかったそうです。

 

 

 

 

 

Web会議システムと対面の併用式に感じた可能性と課題

OLYMPUS DIGITAL CAMERAコロナ対策で特に心配なのは、理事会・総会運営です。特に、毎月の理事会の開催をどのようにするかは頭が痛いところです。狭い集会室に理事たちが大勢集まり、話し合いをするのですから、密閉・密集・密接の3密は避けられません。なかには、4月から理事会の開催を見合わせている管理組合もあると聞きます。

 

ザ・パークハウス横浜新子安では、3月までは理事会を通常開催。4月は窓が開く広いパーティルームで、換気をしながら距離を取って実施、5月以降はWeb会議システムと対面の併用式で開催してきました。いつも理事会を開いている集会室に理事長や副理事長、管理会社のフロント担当者など数人が距離をとって集まり、そのほかの理事は自宅やその他の場所でWeb会議システムを利用して参加という形です。システムの使い方については、事前に資料にして共有し、希望者にはレクチャーを行いました。

 

Web会議システムでの理事会は、音声が入らない、声が聞こえにくいなど多少のトラブルはあったもののおおむねスムーズに進んだそうです。「システムにトラブルがあっても、すぐに集会室に来れば解決できました。密にならないし時間の節約にもなり、自宅に限らずどこからでも参加できるなど様々な制約がなくなるのは大きなメリットだと感じました」と石川さん。子どもを抱っこしながらの参加も可能なので、気軽でいいとの声もあったそうです。

 

一方で、「うちのマンションは役員の任期が2年で半数交代。2年目の理事たちはみんな気心が知れていますが、1年目の理事たちは1月に理事に就任し、5月からWeb会議システムが開始されたため、まだなじんでいないので発言しにくい雰囲気があるかもしれない。これまで直接会って話し合うこと、イベントを実施することで築いていた人間関係が、Web会議だと構築されにくいのは今後の課題です」と話すのは副理事長の野邨(のむら)さん。とはいえ、メリットの多いWeb会議・対面併用式は、今後の理事会でも取り入れていく予定だとのことです。

 

 

☆☆☆

後編では、コロナ禍においてのイベント開催やキッチンカーの利用など、この時期を楽しく乗り切るための施策についてお届けします。

 

To Be Continued.

 

 * ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン管理組合法人 公式ホームページ

   https://www.tph-shinkoyasugarden.com

 

概要(取材年月:2020年07月)
  • 建物名:ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン
  • 所在地:横浜市神奈川区
  • 階数 :地上10階・地下1階建て
  • 総戸数:497戸
  • 竣工年:2015(平成27)年築
  • 管理形態:全部委託
  • 管理会社:三菱地所コミュニティ(株)
  • 総会開催:毎年1月
  • 役員数 :18名
  • 役員任期:2年(半数改選、再任は妨げない)

マンションライフをサポートする関係団体(リンク)