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初の女性理事長就任時に、大規模修繕工事が急務に! トラブルを乗り越えて、高まった団結力【後編】

あみだくじで副理事長になり、従来のルールにのっとり次年度の理事長を務めることになった「入間駅前プラザ 第二管理組合」の中澤さん。前回は、急きょ大規模修繕をすることになったところまでご紹介しました。

その他

トントン拍子に合意形成。その陰に委員会のがんばりが

IMG_2145中澤さんが理事長になった2012年に、大規模修繕委員会が発足。理事経験者や建設会社に勤務経験のある人、会計のエキスパートなど、中澤さんをバックアップする体制が整いました。コンサル会社と一緒に修繕項目について診断したところ、東日本大震災後でも建物の亀裂などはなく、躯体にも問題がないことが確認されたそうです。したがって、2回目の大規模修繕では防水工事に力を入れ、瓦屋根をスレートに、またピッキング予防と耐震性の向上のために、玄関ドアもフレームごと交換することにしました。

 

同年8月にはコンペ方式で施工会社を決定。10月には臨時総会を開いてすんなり可決し、施工会社と契約、着工、とトントン拍子に話が進みました。2014年の消費増税に間に合わせるため、大急ぎの決定事項が続きましたが、コンサル会社とともに委員会メンバーが頑張り、住人に何度も説明会を開催するなど、スムーズな合意形成のための努力が陰にありました。

 

また、長期修繕計画書を見直す際に、積立金の不足問題も出てきました。第二管理組合では、「管理費」のほか「修繕積立金」と「棟別修繕積立金」があります。しかし、棟によって戸数が違い、さらに一部の棟の棟別積立金の設定が低かったこともあって、工事をすると将来的に一部の棟で積立金が足りなくなることが判明したのです。そこで、臨時総会では該当する棟を主体に、翌年から「棟別修繕積立金」を値上げすることも決めました。

 

トラブル発生! 大雪の影響で最上階に水漏れ発生!

IMG_2143無事に着工し、着々と修繕工事が進んでいたある時、大きなトラブルが発生しました。それはその年一番の大雪が降った早朝のことです。最上階に住む元理事の新井さんは、水音で目が覚めました。起きてみると、家の中に雨が降ったのかと思うほどの水が天井から落ちてきていて、ひどい水漏れがしていました。原因は、前日からの大雪。ちょうど屋根の修繕をやっている最中で、断熱材をはがしてカバーで覆っていたところから水が入り込み、落ちてきていたのです。

 

「いろんなところから水がポタポタ垂れてくるから、洗面器を持って家の中を走らなきゃいけないくらいでした」と新井さん。天井はもちろん、床も壁もテーブルの上もびっしょり濡れてしまったそうです。修繕委員会および理事たちは大至急集まり、施工会社を呼び、まずは事態の把握に努めました。早朝のことだったため、まだ水漏れに気づいていない人も多く、最上階の家を役員が1件1件訪ねて聞き取りをしたところ、それぞれ被害に差はありましたが、数十戸がトラブルに遭っていたそうです。

 

「工事のスケジュールが押していたので焦りました。水浸しになった住戸とそれほど大きな被害ではなかった住戸があり、施工会社に急きょ個別対応をしてもらうことで何とか乗り切りました」と中澤さん。「修繕委員会のメンバーはリタイア組が中心。だから、普段から修繕の現場に目を光らせてくれていたこともありがたかった!」といいます。例えば、工具を腰につけた施工者が駐車場を歩いていて車に傷をつけそうになっていた時なども、注意をして事前にトラブルを防いでくれたそうです。

 

 

「周りの人に助けてもらったことがすべて」

☆図1 名前ありトラブルにも見舞われましたが、修繕工事は予定通り2013年の8月に終わりました。外壁は上品なグレーのグラデーションを描き、エントランスのスロープは雪が降っても足が滑りにくい緩やかな角度になりました。道々に備えられた花壇には、グリーンクラブが丹精込めて育てている花々が彩り鮮やかに咲いています。

 

大規模修繕工事の実施により、新たな輝きをもったマンションとなりましたが、住人の中にはなぜか大規模修繕をしたことを普段忘れている人もいるそうです。「それだけ今の環境が快適だということだ、と、とらえることにしています」と中澤さん。「理事長時代は色々ありましたが、終わってみると結果オーライ。私の場合、周りの方に助けてもらったことがすべてでした」と当時を振り返ります。

 

「隣に第一管理組合があって、その前例を見ることができたのもよかった」というのは、理事長をバックアップしていた新井さん。第一管理組合は竣工が第二管理組合より少し早く、2回目の大規模修繕も3年前に済ませていたため、よい前例として参考にすることができたそうです。第一管理組合とは年に数回交流をしていて、常に情報交換をしているそうです。

 

何より、全て管理会社に任せていた管理を一部委託にして、少しでも自分たちの手で管理していこう、という意識をもった人が多かったことが、今回の急な決断にもスムーズに対応できた理由でしょう。「大変でしたが、それを乗り越えたことでマンション内にたくさんの知り合いができました」と中澤さん。今年の5月には、2人目の女性副理事長が誕生し、中澤さんも早速紹介を受けました。今度は、中澤さんが新理事長を支える番です。

 

概要(取材年月:2019年05月)
  • 建物名:入間駅前プラザ(第二管理組合)
  • 所在地:埼玉県入間市
  • 階数 :地上5階建て
  • 総戸数:210戸(8棟)
  • 竣工年:1987(昭和62)年
  • 管理形態:部分委託
  • 管理会社:日本総合住生活(株)
  • 総会開催:毎年5月
  • 役員数 :12 - 14名
  • 役員任期:1年(輪番制、再任は妨げない、理事長・監事ら数名が留任)

マンションライフをサポートする関係団体(リンク)