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マンション内で介護予防!区が支援するストレッチ&カフェの取り組み

都心でのマンション生活は、便利なだけに運動不足になりがちです。高齢化社会の中で健康寿命を延ばすため、体操やストレッチで筋力をアップさせることはとても大事ですが、なかなかひとりでは始めにくいものです。そこで今回は、区が公の場で行う介護予防の体操をマンション内で行い、サークルを立ち上げるに至った、千代田区のマンションの取り組みをご紹介します。

シニアライフ各種サークル活動

区の介護予防体操をマンションで

OLYMPUS DIGITAL CAMERA「パークコート千代田富士見ザタワー」(総戸数505戸)に住む大谷(おおたに)さんは、毎週水曜日、近くの区民館へ通って体操をするのを習慣としています。これは千代田区の高齢介護課が介護予防の一環として行っている「シルバートレーニングスタジオ」という活動で、区民館や児童館などの施設で簡単な運動やストレッチを行うものです。予約不要で参加費もいらないため、気軽に参加していました。

 

あるとき大谷さんは、顔なじみとなった区の職員の方に「区の施設よりも、もっと参加しやすい場所はないか」と相談されました。その際、マンションの共用施設を利用してはどうか、という話になり、一度大谷さんの住むマンションの共用スペースを借りてやってみることになったのです。大谷さんは早速管理組合に話をして、3階にあるコミュニティルームを借りることにしました。マンションの居住者には、区の職員がチラシをつくってくれたため、掲示板に貼るほか全世帯にポスティングをして知らせました。

 

そのような経緯で2017年の5月、マンションに住む65歳以上の人を対象に、千代田区高齢介護課高齢者サービス係(現・高齢介護課介護予防係)の主催による「ロコモ測定会&お茶会」が開催されました。ロコモとは、正式名称をロコモティブシンドローム(運動器症候群)といい、筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板といった運動器の障害により、立つ・歩くといった機能が低下している状態のことをいいます。
測定会では、九段坂病院の先生を講師とした「ロコモ」に関するお話のあとで、立ち上がりテストや片足立ちテストにチャレンジ。自分の身体能力を体感しました。参加者は全部で10名。らくにできると思っていたことができず、「こんなはずでは…」と顔をしかめる人もいれば、反対に若さを実感する人など、和気あいあいとした雰囲気のなか、健康維持の大切さを学んだ貴重な時間となりました。

 

マンション内に「シルバーストレッチ&カフェ」が誕生! 

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこの「ロコモ測定会&お茶会」がきっかけとなり、集まったメンバーのなかから自主的に「マンション内にこのような場をつくりたい」と考える人が出てきました。「せっかく集まって知り合いになれたのに、一度やって解散するだけではもったいない。覚えた体操だって、家に帰ってひとりでやるかというとなかなかできません。マンションの中で集まることができるのも気楽でいいと考えました」と大谷さんはいいます。

 

大谷さんを中心に、ロコモ測定会に参加していた5人のメンバーで管理組合に会の発足を申請。理事会にかけたうえで新たな同好会「シルバーストレッチ&カフェ」として承認されました。会の立ち上げと運営のサポートとして、区と理学療法士が数ヶ月分のプログラムをつくるなど協力。早速7月から週1回のペースで活動することになりました。

 

集合は3階のコミュニティルーム。10名ほどの参加者で毎週木曜日の午後2時から1時間半ほど体を動かし、残りの30分はそれぞれ持ち寄ったお茶を飲みながらお話をしています。体操のプログラムは、その後大谷さんが少しずつ改良を重ねてきました。準備運動は区が作成したDVDを流し、その後は大谷さんがインターネットから探してきた動画を使って、タオルを用いたストレッチなどを数回ごとに変化をつけながら行うようにしています。

 

「ずっと同じことをやっていると飽きてしまうので、少しずつ変えるようにしています。最近肩こりがひどいという人がいたら肩こりに効くストレッチを探したり、杖をついている人でもできる座りながらの体操を組み込んだり、できるだけみなさんの状況に合わせて運動した方が効果が高いですからね」と大谷さん。区からの支援も一度で終わりではなく、区の理学療法士やケアマネージャーが指導に来てくれたり、半年に1回は大谷さんに対する指導をしてくれたりしているそうです。

 

参加者の体力が向上! 世間話にも花が咲いてみんな生き生き

OLYMPUS DIGITAL CAMERA「最初は運動が終わるとふうふう息が上がってしまっていたんですが、今はずいぶん慣れて平気になりました」と、参加者のひとりがいえば、「私もここに通うようになって駅の階段の上り下りが楽になったんですよ」と別のメンバーが応えます。マンション内には街の歴史を歩いて巡る「街歩きの会」というサークルもあるそうですが、そちらは若い人の参加も多く、「最初はみんなについていく自信がなかったけど、最近体力がついてきたので参加できるようになりました」という方もいらっしゃいました。また、皆さん口を揃えて「こういう体操はひとりではできない」といいます。みんなが集まって運動することで、続けられるものなのだということがわかります。

 

体操が終わると、みんなで椅子に座ってお話の時間です。いつもご夫婦で参加しているという奥様は「主人は体操が終わるとさっさと帰ってしまうのですが、私はこの時間を心待ちにしているというか。みなさんと色々な話をするのを楽しみにしているんですよ」といっていました。近所にできたスーパーの話、近くにある病院の話、マンションで受けられるサービスの話……。他愛もない話のようですが、実はこういう情報交換が何か困った時に生きてくるものです。体力の維持向上だけでなく、たった30分のおしゃべりの場が、思わぬ効果をもたらしてくれるのです。

 

「月に4回の活動ですが、第5木曜日がある月にはみんなでランチをしに行ったり、マンションのパーティールームでご飯を食べたりして楽しんでいます。「シルバーストレッチ&カフェ」の会という名前も単なる「ストレッチ&カフェ」に変更して、もっと幅広い年齢層の人にも参加してほしいと思っているんです」と大谷さん。今後ますます賑やかに発展していきそうです。

 

概要(取材年月:2018年08月)
  • 建物名:パークコート千代田富士見ザタワー
  • 所在地:東京都千代田区
  • 階数 :地上40階建て・地下2階建て
  • 総戸数:505戸
  • 竣工年:2014(平成26)年築
  • 管理形態:全部委託
  • 管理会社:三井不動産レジデンシャルサービス(株)
  • 総会開催:─
  • 役員数 :─
  • 役員任期:─

マンションライフをサポートする関係団体(リンク)