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防災に強いマンションが主導!官民の協力で街全体に“共助”の輪を広げる【前編】

マンション管理組合の防災意識は、東日本大震災以降ますます高まり、様々な工夫を凝らして災害への備えをしたり、防災訓練を行ったりするマンションが増えています。しかし、マンション単体での取り組みは充実してきているものの、地域を巻き込んだ活動はまだまだ少なく、課題となっています。今回は官民が協働し、エリア全体で行われた防災訓練をレポートします。

防災・防火

あらゆる場面を想定し、実践的な防災訓練を重ねているマンション

P3110044東日本大震災が起こった3月11日。あの日、はじめて知ったこと、感じたことを忘れないためにと、防災訓練を行っている地域があります。JR総武線「津田沼」駅の南口に広がる「津田沼奏の杜」エリアです。そのエリアに初めてできたマンション「ザ・パークハウス 津田沼奏の杜」(721世帯)は、2013年の入居開始当初から住人の防災への関心が高く、趣向を凝らし実践的な防災訓練などを行っています。今回のレポートも、このザ・パークハウス 津田沼奏の杜から始まります。

 

早朝、マンションのカフェラウンジにカラフルなビブスを着た防災担当者が集まり出しました。9時になると大きな地震が発生したという想定の館内放送がかかり、早速その場に防災対策本部が発足。班ごとに分かれ、スタッフはそれぞれ安否確認訓練に向かいます。トランシーバーでやり取りをする様子やテキパキと動く様子は、さすが、2015年から何度も質の高い訓練を行ってきただけのことはあります。

 

ザ・パークハウス 津田沼奏の杜では、2015年の3月に防災ワークショップなどを含めた防災訓練を行ったのを皮切りに、翌年4月に習志野市の危機管理課や消防署と連携した訓練、同8月にキッズ×防災イベントの実施、2017年にはエリアに新しくできた他の2つのマンションとの合同訓練の実施など、様々な趣向を凝らし防災に取り組んできました。

 

今回は、もっと街全体を巻き込もう!と考え、エリア内にある他の3つのマンションと、一般社団法人奏の杜パートナーズとともに防災訓練を主催。分譲会社が異なるマンションや戸建て住民も含めた奏の杜地区全体での防災訓練の開催となったのです。

 

5年前に街開きをした津田沼奏の杜

8.縺ッ縺励#霆願ィ鍋キエ

津田沼駅南口から徒歩3分ほどのエリアにある奏の杜は、土地区画整理事業によって生まれ変わった街です。元は農地の中に住宅が点在していた地区でしたが、地権者が主体となり、地権者の総意によるまちづくりが行える組合施行の土地区画整理事業により、公共施設と宅地が一体的に開発整備されて、5年前に街開きをしました。今では大型ショッピングセンター「奏の杜フォルテ」、4つのマンション、戸建て街区、公園などが整備され、電線は地中化されて植栽の並ぶ美しい街並みが見られます。

 

街づくりをするにあたって、地権者たちを含め、まちづくりに関わるすべての人たちにより「奏の杜まちづくり憲章」を制定。その中で景観・防犯・環境の3つのテーマを掲げ、それを守り・育てていくことを「エリアマネジメント」と位置付けました。それを推進する組織が「奏の杜パートナーズ」です。街の価値をさらに高めていくために、居住者や土地所有者、事業者などを会員とした組織で、街に暮らす人々の共有ルールや資産のマネジメントのほか、コミュニティ活動などを推進しています。

 

今回奏の杜パートナーズは、4つのマンションの管理組合とともに防災訓練の計画を策定するほか、戸建て街区の安否確認訓練などにも活躍していました。また、マンションの主な売主である三菱地所レジデンスからは、有志の社員で構成されるボランティア組織「三菱地所グループの防災倶楽部」から今年も30~40名ほどが参加。街区の随所に分散し、防災訓練をサポートしています。

 

公園に移動して全体集合。はしご車訓練に歓声も!

P3110090さて、安否確認訓練を終えたザ・パークハウス 津田沼奏の杜の住人は、敷地内の中庭に集まって、20戸から55戸までの18ブロックに分けられた班ごとに整列しました。AからRまでのアルファベットが書かれ、色分けされたのぼりを持った人を先頭にきれいに並んでいます。こののぼりは、昨年度の訓練の際に「集合や移動の際にわかりやすい目印があった方がいい」との声が上がり、それを受けて早速用意されたものです。

 

その後、人数を確認するとともに、防災委員から「班ごとに防災食のこと、どんなものを備えているかなどを話し合ってください」と声をかけられ、輪になって話をしました。ほとんどの家庭では一般的な防災マニュアルを参考に非常食を備えている様子でしたが、あるお母さんは、子どもを安心させるためにおやつを多めに入れたり、非常時の栄養を考えて冷凍甘酒を常備していると話し、みなさん感心しきり。いい情報交換の場になっていました。

また、同じ棟の近いフロアに住む人たちで構成された班なので、話し合いをすることで顔見知りになれるメリットもあります。

 

 やがて建物から火災が発生し、マンションにいられなくなったという想定で、エリアにある谷津奏の杜公園へ移動。ザ・パークハウス 津田沼奏の杜以外の3つのマンションの住人や、戸建て住宅の住民たちも続々と公園に集まってきます。あっという間に公園が人でいっぱいになり、それぞれののぼりを先頭に整列。参加人数を確認し情報を共有したら、今度は消防署によるはしご車訓練です。

 

2015年に竣工した「ザ・レジデンス津田沼奏の杜」(869世帯・24階建て)の7階で火災が発生したという想定で、消防署のはしご車が7階住人を無事救出。子どもたちからは大歓声が上がりました。一方で、消防署の職員より「はしご車はマンションの13階相当まで伸ばすことができる」との話があると、「それより上の階に住んでいる場合はどうすればいいんだろう?」「非常時用のエレベーターで救助にきてくれるよ(※)」と、大人たちが真剣に話し合う声も聞こえてきました。

日々の生活の中ではあまり考えることのない“緊急事態”を身近なものとして感じ、その時どう動けばいいのかを現実的に考える絶好の機会になったようです。

 

 (※)火災時のエレベーターの利用は控えるのが原則ですが、非常用エレベーターは耐火仕様になっているので使用できます(ただし、一般の方には操作できません)。

 

☆☆☆

次回〔後編〕では、公園で行われた実践的なイベントや講演会についてレポートします。

 

To Be Continued.

概要(取材年月:2018年03月)
  • 建物名:ザ・パークハウス 津田沼奏の杜、ザ・パークハウス 津田沼奏の杜テラス、ザ・レジデンス津田沼奏の杜、ザ・レジデンス津田沼奏の杜テラス
  • 所在地:千葉県習志野市
  • 階数 :24階建てほか
  • 総戸数:計1,943 戸(4 物件)
  • 竣工年:2013年築ほか
  • 管理形態:全部委託
  • 管理会社:三菱地所コミュニティ(株)
  • 総会開催:─
  • 役員数 :─
  • 役員任期:─

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