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38年目のさくらを囲む、長寿マンションの桜まつり

桜が咲き始めると、マンションの敷地内などでも、お花見を楽しんでいる光景をときどき見かけます。下町の面影が残る足立区千住地区に最も早くできた大規模マンションでは、38年目の桜を楽しむ桜まつりが開かれていました。

各種イベント

役員も楽しみながら準備、恒例の桜まつりが開催!

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朝10時。マンションの集会室に人が集まり、自治会役員の挨拶が始まりました。今日は「グリーンコーポ千寿」の桜まつり。役員の方たちがその準備をしているのです。ひと通り段取りの説明と挨拶がされた後、女性はその場に残って食材の準備、男性は外に出て設営を行います。

京成線「京成関屋」駅から徒歩約5分。隅田川を望む総戸数464戸のマンションがグリーンコーポ千寿です。今年で築38年を迎えるこのマンションは、千住地区で最初にできた大規模マンションで、自治会は単独で組織しています。ゆったりとした配棟で、中央の広場には公園や築山、テニスコートも1面用意されています。お祭りの舞台となるのはプレイロットと呼ばれているその公園です。

プレイロット脇の道路には、桜の花が咲き並んでいます。その下に机を並べて、焼きそば、おしるこ、フランクフルトといった食べ物を提供する模擬店を開くのです。出店はそのほかに自治会と一般居住者のフリーマーケットが1軒ずつと茨城の農家の方が米や野菜、豚汁の販売をするブースが用意されました。この茨城の農家の出店は今年で6回目となるそうです。東日本大震災で被害を受けた農家の方がたまたま居住者と知り合いで、震災支援の一環として呼んでいます。

お鍋持参で豚汁を持ち帰り、広場でプチお花見パーティ

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開会時間の11時になり、広場に人が集まり始めました。担当役員が毎年腕を振るう味自慢の焼きそば売り場には、かなりの行列ができています。おしるこや豚汁には、鍋を持参して何杯も入れてもらう人たちもいました。買った食べ物を部屋に持って帰る人、そのまま公園で食べる家族連れ、ブースの脇に並べてある机と椅子の周りでは、家から持ち寄った食べ物も広げて、居住者同士のプチお花見会が始まっています。「近所の人とこうして食べて飲んでお話しできるひとときが楽しくて、毎年桜まつりを心待ちにしています」という居住者の声も多く聞かれました。

300食用意した焼きそばはあっという間に完売。近隣に住む人も顔を出して、桜まつりは盛況のうちに終了しました。

桜まつりの運営費は、全て自治会持ちで、鉄板などの機材もすべて自治会が長年かけて揃えてきたものです。入居開始から38年目を迎えるグリーンコーポ千寿。当初は子どもだけで数百人、近くの小学校ではこのマンションの入居年に各学年に1クラスずつ増設したほどだったといいます。「子どもたちを何とか地域になじませたい。ふるさとをつくってやりたいという思いで祭りを始めた」と言うのは、自治会長の杉山さん(仮名)。桜まつりはあまり役員の負担にならないよう簡便なものとしていますが、予算100万円を超える夏祭りは、毎年それは大盛況なのだそうです。

「土曜は盆踊りや模擬店、日曜には子ども神輿やスイカ割もやります。ここらは下町なので祭りをやるマンションは多い。近所の子どもたちは祭りの季節になるといろんなマンションをはしごして楽しんでいますよ」と杉山さんは言います。

自治会と管理組合が連携。祭りも仕事を理解してもらうツールに

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実は杉山さん、自治会長だけでなく管理組合理事長も兼任されています。理由は前理事長退任後の一時的な措置だそうですが、管理組合と自治会の連携がうまくいっていることがうかがえます。

グリーンコーポ千寿の管理組合は、結成当初の理事長がマンション管理会社に勤めていたために知識が豊富だったこともあり、理事長に導かれて管理業務に関わるうちに、「マンションとはこうやって管理するものなのか」と、当時の理事たちは感心したといいます。

当初は、自主管理に向けて取り組みをしましたが、すべてを自主管理にすると負担が大きくなることから、一般管理業務(管理費等の徴収、住み込管理員の派遣、清掃業務等)は管理会社に委託し、その他の業務については管理組合が行っています。また、賃貸の居住者についても、「準組合員制度」を設けています。議決権はなく、理事にはなれませんが、テニスコートなどの共用施設の使用などは、組合員と同じように受けることができます。

前述した管理組合と自治会の連携についても、工夫しています。管理組合には総会で承認された12名の常任理事と各階に1人ずつ28名の一般理事を置き、それぞれ自治会の幹事を兼務します。1年間に2つの業務がありそれなりに忙しいのですが、逆に考えれば同時にできるので、どちらの業務も一度に知ることができるという利点があります。自治会の階幹事の改選時期は4月。桜まつりはちょうど新しい幹事さんたちが仕事を覚えるツールとしても利用されていたのでした。管理組合と自治会がそれぞれの役割を分担しながら、相互に扶助しあえる好例となっています。

敷地内に75本ほど植えられているという桜の木。手入れが難しい桜の木は、専門の業者に管理を委託しているそうです。38年間、居住者とマンションの四季を見守ってきた桜が満開に咲き誇り、楽しい祭りを彩っていました。

概要(取材年月:2017年04月)
  • 建物名:グリーンコーポ千寿
  • 所在地:東京都足立区
  • 階数 :14階建てなど
  • 総戸数:464戸
  • 竣工年:1979(昭和54)年築
  • 管理形態:一部委託
  • 管理会社:大成企業(株)
  • 総会開催:5月
  • 役員数 :常任理事12名、一般理事28名
  • 役員任期:常任理事(理事より推薦 再任可)、一般理事(輪番制、任期1年)

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